表彰式・記念講演会について
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第29回 表彰式・記念講演会 お申込みフォームはこちら |
本事業には、公益財団法人 三井住友銀行国際協力財団より助成を受けています。

第29回 国際開発研究大来賞 決まる (2025年12月8日発表)
第29回(2025年度) 「国際開発研究 大来賞」(おおきた賞)は下記作品の受賞に決定しました。
多くの皆さまからのご推薦、ご応募に御礼申し上げます。
詳しくは【第一報】をご覧ください。
【 第一報 】(2025年12月8日公開)
【共同通信PRワイヤー プレスリリース】(2025年12月8日公開)
受賞作品紹介リーフレット
![]() 『リベラルな帝国アメリカのソーシャル・パワー
-フォード財団と戦後国際開発レジーム形成』 牧田 東一 明石書店 2024年 【 審査委員による選評 】 政策研究大学院大学 名誉教授 客員教授 大野 泉 本書は、フォード財団を事例に、戦後アメリカの巨大民間財団がどのように誕生・運営され、冷戦期アジアで国際開発とソフトパワー形成にいかなる役割を果たしたのかを描いた歴史研究である。同財団が所蔵する膨大な資料や関連文献、著者自身の現地調査に基づく力作で、1950~60年代におけるインド、ビルマ(ミャンマー)、インドネシア、日本での活動を丹念に綴っており、史料としても貴重である。 本書の卓越性は、民間財団を単なるフィランソロピーの担い手ではなく、リベラルな国際秩序を支える「ソーシャル・パワー」として捉えなおした点にある。冷戦下で援助が外交戦略と結びついた時期に、フォード財団は非同盟を掲げたアジアの新興独立国を自由主義圏に引き寄せる米国政策を背景に、各国の指導層と緊密なネットワークを構築し、国家開発プロジェクトに深く関与した。 続きはこちら |
表彰式・記念講演会
日時 2026年1月16日(金)13:30~ (2時間程)この受賞を祝して表彰式・受賞作品著者による記念講演を開催いたします。
メディア取材、プレス各位、当該研究に関心がおありの皆さまのご参加を歓迎します。
参加無料。(要申込)
講 演
牧田 東一
「国際開発の始まりと終焉? -アメリカ帝国の始まりと終わり」
第二次世界大戦後、アメリカは世界の経営に乗り出した。枢軸国の民主化、西欧諸国の復興、共産主義陣営の封じ込めと弱体化、第三世界の開発=近代化は、20世紀アメリカ帝国の一連のプロジェクトであった。各国の社会秩序をどのようにアメリカに似せて作り変えるか、そこに登場したのが巨大財団である。フォード財団がインドや日本で行った助成を通して、アメリカ周辺諸国の秩序転換への強力な影響力を歴史的に解明する(著者)。
| ハイブリッド式: 来場およびオンラインzoomによるご参加を募集します 会 場: 日比谷図書文化館4階 スタジオプラス 東京都千代田区日比谷公園1-4 https://www.library.chiyoda.tokyo.jp/hibiya/#access |
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| 言 語: 日本語(進行、講演他) 申 込: オンラインフォームからお申込みください (*本ページ末留意ご参照) 【ご来場申込】 【オンライン参加申込】 締 切: 2026年1月8日(木)正午 来場40名程、オンライン60名程 (定員に達した時点で受付を終了します) |
表彰式・記念講演会用資料 (pdf) 1. 【 受賞作品紹介リーフレット 】(4頁) 2.第29回 式次第(2枚)(準備中) 3.第29回 記念講演会レジュメ(2枚)(準備中) |
受賞者のことば・執筆者略歴
牧田 東一 桜美林大学リベラルアーツ学群 教授本書は東京大学大学院総合文化研究科に提出した博士論文を修正し、また新たに2章を追加したものである。テーマは1950~70年代初めのアメリカのフォード財団のアジアでの活動、特に開発援助に焦点を当てた戦後開発史の研究である。 アメリカの民間財団に関する国際関係論の研究は少なく、日本においての活動は知られていたが、本書で取り上げたインド、インドネシア、ビルマでの活動はほとんど注目を集めて来なかった。しかしながら、国際開発の初期の段階におけるアメリカの民間財団の役割は重要である。本書はフォード財団の本部に保存されている一次資料を網羅的に収集して、それらを同時代のアメリカ=アジア諸国関係の中で読み解くことを通して、フォード財団がアメリカ政府と時には協力し、時には単独で国際開発をこれらのアジア諸国で強力に進めていったことを明らかにしている。 アメリカがほとんど単独で進めていった国際開発の初期段階において、開発戦略の上で重要な点はそれが冷戦戦略とリンクしていたことである。フォード財団が力を入れたインド、インドネシア、ビルマは非同盟運動の指導的な国々であり、アメリカとソ連の援助競争となったこれらの地域が国際開発の主戦場であった。また、中国共産党が農村を支配することで国共内戦に勝利したことへの反省から、アメリカは農村開発に力を入れ、工業開発を主張するソ連とは好対照であった。日本においても農地解放を推し進めたように、農村の貧困に対処することが、共産主義の侵入やファシズム・軍国主義の再度の台頭を防ぎ、民主主義陣営を守るための鍵だと考えていた。 続きはこちらへ 牧田 東一 (まきた とういち)
略 歴 1978年 東京大学教養学部基礎科学科卒 1980年 東京大学教養学部教養学科文化人類学分科卒 1980年~2002年 財団法人トヨタ財団国際部門プログラム・オフィサー インドネシア、マレーシア、ネパール、ベトナム、カンボジア担当 2017年 東京大学大学院総合文化研究科(国際関係論)修士課程入学(仕事と兼務) 2002年 東京大学大学院総合文化研究科(国際関係論)単位取得退学 2002年 桜美林大学国際学部准教授 2006年 同教授 2006年 学術博士 現在 桜美林大学リベラルアーツ学群教授、サービスラーニングセンター長 詳細はこちらへ |
第29回 応募作品の傾向と選考経緯
2024年4月から2025年3月までに出版された国際開発分野における課題を主たるテーマとした日本語の研究図書を対象として公募したところ、59件57作品の推薦・応募があった。2024年は日本が政府開発援助(ODA)開始から70周年である。本賞の本流ともいうべき開発援助をテーマとした作品が多数寄せられたことが今年の特徴であった。その他には、植民地をテーマとした作品、中国の変貌する社会経済と官民関係、紛争、日本の移民社会、近隣国の社会と政治、文化人類学のフィールド調査によるもの等々、昨今の国際開発の課題として重要なテーマを扱う水準の高い作品が多くあった。
FASID国際開発研究センターにおいて予備審査を行い、受賞作に加えて下記4作を最終審査対象として選出した。審査過程における委員による意見はおおよそ以下のとおりである。(書名五十音順)
『技能実習生と日本語のリアル -これからの外国人労働者受け入れ制度と日本語教育のために』(道上史絵、大阪大学出版会)
外国人技能実習制度を言語教育と人権の視点から再検討し、『学ぶ権利』と『働く権利』を統合的に考える新しい枠組みを提示し、豊富な調査と理論的緻密さを兼ね備え、開発・教育・労働政策の接点に大きな貢献を果たしている。学術的完成度・社会的意義ともに高く、大来賞の理念に近い作品である。
『激化する紛争への国際関与 –仲介の理論と旧ソ連地域の事例からの考察』(富樫 耕介編著、晃洋書房)
国際紛争の激化に対する多層的関与の実相を明らかにし、軍事・外交・開発を統合的に分析した作品。現場調査に裏づけられた実証力と政策的示唆に富み、国際平和協力の実務と理論を結ぶ架橋を提供している。仲介の概念、歴史的背景、当事者の視点からの分析枠組み提案は学術的な価値がある。
『石油が国家を作るとき –天然資源と脱植民地化』(向山直佑、慶應義塾大学出版会)
「植民地時代の石油生産」と「保護領制度」という2つの条件が、植民地から単独独立国家(「本来存在しないはずの国家」)となるために必要な要素であることを、ブルネイ、カタール、バーレーンを事例にして論じた比較歴史分析であり、切れ味の良い鮮やかな研究成果。視点・仮説が斬新である。
『評価と行政管理の政策学 –外務省と開発協力行政 ガバナンスと評価』(三上 真嗣、晃洋書房)
開発協力行政の根幹である評価制度を政策学の観点から再定義し、統治メカニズムとして分析している。行政過程論と国際行政研究を接合し、外務省ODA評価の形成と運用を詳しく描いた点に独創性がある。説明責任と評価文化の理解を深める意義も大きく、「評価を管理する政策」という新概念を提示している。
【お申し込み受付にあたり】
式典・講演会の開催にあたっては、いくつか留意がございます。あらかじめ皆さまのご理解・ご協力をよろしくお願いします。
1.ご来場による参加について
・撮影、録音
主催者(主催者の許可を得た取材等含)は、記録・広報のために式典・講演の撮影・録音をいたします。写真は広報資料(FASID web、募集案内、取材先媒体等)へ掲載いたしますが、ご来場の皆さまは、会場風景撮影時等背面から撮影、撮影に入り込まれた場合も個人が特定されないように編集します。
・施設、飲食:
会場は千代田区立で同館規約により室内での飲食は厳禁です。ただし、アルコール以外の蓋付きの飲料のみ持ち込み可能です。
・ご来場には、公共交通機関をご利用ください。
2.ご来場・オンライン 共通
・ご参加者による録音・録画、撮影、スクリーンショット等はご遠慮ください。
・ご来場の方へのリマインダー、オンラインご参加者へのZoomのURLはメールにて3営業日前迄にご案内いたします。(okita@fasid.or.jp)からのメールを受信可能に、事前設定をお願いします。
3.キャンセルの場合は、速やかに(okita@fasid.or.jp)へご一報ください。
お問い合わせ先一般財団法人 国際開発機構 国際開発研究センター |
これまでの表彰式・記念講演
第28回(2024年度) 第27回(2023年度) 第26回(2022年度) 第25回(2021年度) 第24回(2020年度) 第23回(2019年度) 第22回(2018年度) 第21回(2017年度) 第20回(2016年度) 第19回(2015年度) 第18回(2014年度) 第17回(2013年度) 第16回(2012年度) |
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OKITA Memorial Prize for International Development Research








