本年度の「国際開発研究 大来賞」につきましては、平成23年10月19日に審査委員会を開催して厳正な審査を行いましたが、一致して推薦された作品がなく、「該当作なし」という結果となりました。なお、28の応募作品のうち、当財団内部で行った予備審査を通過し、最終審査に残った5作品は次のとおりです。
予備審査通過作品(50音順)
『援助ドナーの経済学』 木原 隆司 著(日本評論社 2010年)
『開発援助政策』 下村 恭民 著(日本経済評論社 2011年)
『国際開発協力の政治過程―国際規範の制度化とアメリカ対外援助政策の変容』 小川 裕子著(東信堂 2011年)
『中国労働市場のジェンダー分析―経済・社会システムからみる都市部就業者―』 石塚 浩美 著(勁草書房 2010年)
『BOPビジネス戦略―新興国・途上国市場で何が起こっているか』 平本 督太郎・松尾 未亜・木原 裕子・小林 慎和・川越 慶太 共著(東洋経済新報社 2010年)
「国際開発研究 大来賞」は、国際開発の分野で大きな足跡を残されて当財団の初代評議員会会長を務められた元外務大臣大来佐武郎氏を記念して、この分野における研究を奨励するため、国際開発の様々な課題に関する優れた指針を示す研究図書を顕彰するものです。
1914年旧満州大連市に生まれる。1937年東京帝国大学工学部卒業、逓信省入省。戦後は、経済安定本部、経済企画庁においてエコノミストとして活躍。1963年に同庁総合開発局長退官、1964年日本経済研究センター理事長に就任、南北問題や開発援助分野で活躍。国際開発計画委員会(ティンバーゲン委員会・ピアソン委員会)の委員や、『成長の限界』を刊行したローマクラブのメンバーを務める。1971年国際開発センター理事長、1973年海外経済協力基金総裁などを歴任し、1979年の第二次大平内閣において外務大臣を務める(〜80年)。その後も国際大学学長、対外経済問題諮問委員会座長、国際開発学会会長など、国際開発分野で数多くの足跡を残す。1993年逝去。
| (1) | 開発援助を含む国際開発の分野における課題を主たるテーマとする日本人が執筆した日本語・英語の研究図書(翻訳、随筆、エッセイ、体験記、自伝、紀行文、事業報告書などを除く)であって、学術の振興あるいは実践活動の向上の見地より特に斬新性、普及性の点で顕著な業績、貢献が認められるもの。 |
| (2) | 個人、又は、団体が編者の場合、あるいは、団体が著作者の場合は、個人の執筆者名が明記されているもの。(評価は内容に対して行いますが、単独作品と共著作品の内容が同等に優れる場合は、単独著作をより高く評価します) |
| (3) | 平成22年4月1日から平成23年3月31日までの間に市販されたもの。 |
審査委員長
| 杉下 恒夫 | FASID理事長 |
審査委員(50音順)
| 浅沼 信爾 | 一橋大学 国際・公共政策大学院 客員教授 |
| 荒木 光弥 | 株式会社 国際開発ジャーナル社 代表取締役 |
| 大来 洋一 | 政策研究大学院大学 名誉教授 |
| 岡田 尚美 | FASID専務理事 |
| 河野 善彦 | 財団法人 オイスカ 事務局上席顧問 兼 日本アマゾンアルミニウム(株)常勤監査役 |
| 園部 哲史 | FASID連携大学院プログラムディレクター |
| 廣野 良吉 | 成蹊大学 名誉教授 |
FASIDは今後も大来賞を通じて、国際開発の分野における研究の奨励に努めてまいります。来年度の募集開始は5月中旬頃を予定しております。また、来年度は審査基準を再検討し、より国際開発の実践面に貢献する研究を奨励していきたいと考えています。