HOMEFASIDについて > 理事長挨拶

印刷する理事長挨拶

 
 1990年3月に当時の経済団体連合会(経団連)のご協力のもと、外務省、文部科学省共管の財団法人として発足した「国際開発高等教育機構(FASID)」は、公益法人制度改革に対応して2012年10月1日から一般財団法人「国際開発機構」(FASID)として再出発しました。
 国際社会で通じる高度な知識と経験を有する有為の人材を育てることを主な目的として設立された旧財団は、いくつかの曲折を経ながらも開発援助に係る人材の育成、日本および世界の開発援助に関する調査研究、教育研究、開発援助に対する国民の啓発、広報、さらに海外における国際協力機構(JICA)の開発支援事業への協力など多様な活動を20年以上にわたって行ってまいりました。
 現在、開発援助プロジェクトの管理運営手法として広範囲に活用されているPCM(プロジェクト・サイクル・マネージメント)手法をFASIDが嚆矢となって普及に努めるなど、20年間の事業実績は、内外多方面から高い評価を頂きました。また、開発高等教育、政府開発援助(ODA)実施に資する研究調査などにも成果を挙げ、20年前の財団設立の目的は十分に果たされたと確信しています。
 一般財団法人として新起点を迎えるFASIDの最大の変化は、行政刷新会議の事業仕分けの結果などにより、これまで外務省等政府機関から優先的に受託してきた高等教育部門の事業が無くなることです。しかし、われわれは一般財団法人化は、事業拡大のチャンスであるとも考えており、今後は積極的に新事業の展開を模索します。新FASID発足後、しばらくの間は、旧財団時代からの開発を主題とした国内研修事業、調査研究・情報発信事業、海外技術協力事業をメーンに財団運営をしてまいりますが、並行して開発援助の枠組みを超えるグローバル人材育成事業、新興ドナー国との事業協力、高等教育奨学生の支援など新たな事業の開発にも力を注ぐ所存です。
 旧FASIDが設立された当時は、肥大化した日本の経済力に見合った国際貢献の担い手となる人材の育成が急務でした。だが、今、日本を取り巻く世界の環境は当時と大きく変わっています。中国、インドなど新興諸国の台頭、そして情報技術(IT)など先端技術の目覚ましい進歩により、地殻変動的変貌を遂げている現代国際社会は、日本全体をグローバル化の坩堝に巻き込んでいます。多くの日本人が国際社会で生き抜く能力を身に付けることは、日本の爛頭(らんとう)の急務であるとも言えるでしょう。
 20世紀までの世界をリードしてきた先進国の国際社会における相対的地位は低下しています。日本もその例外ではありません。しかし、戦後の日本という国は、安定した民主国家として世界にその存在感を示し、地球の平和と安全に貢献することで、高い評価を得てきました。日本が今後も引き続きこうした国際責務を担ってゆくためには、先進国、途上国を問わず、マルチな国際社会で生き抜く能力を持つ日本人の育成が、いっそう求められます。
新生FASIDは、日々、自分たちの琢磨を欠かさず、時代の変化に対応した日本再生のための国際環境整備の一翼を担う組織になることを目指します。新しいFASIDが足を踏み入れるフィールドは未知の世界であり、厳しいものであることは、一同、十分に承知しております。しかし、日本、そして世界のすべての人の幸せを実現するために献身するというFASIDの基本精神には、些かの揺るぎもありません。まだまだ未熟な私どもではありますが、今後も従前通り、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。